ラッキーラマランドに思いを馳せる
執筆:岸瑞穂
はじめに
こんにちは、すごろくやの岸です。
普段、店頭にお越しいただくお客さまと接する機会はなかなか少ないのですが、主に卸流通や商材管理にかかわる業務に携わっています。
好きなものを語る記事を書いて良いということでしたので、思う存分書き連ねていきたいと思います。もしお時間あればお付き合いください。
「推し」の共通項
推しの多い生涯を送って来ました。もしかしたら皆さんの中には共感してくださる方もいらっしゃるかもしれません。
私は好きなものが「移り変わる」というよりかは「どんどん増えていく」性分なようで、男性アイドル、女性アイドル、アーティスト、お笑い芸人、舞台俳優、ゲーム実況者など、さまざまなジャンルに手を出しては大好きで応援したいと想う対象=推しを増やしてきました。
そう、新たに何らかのジャンルに興味を持てば、その中で新たに推しが生まれるのです。そのため追いかける対象が非常に多く、プライベートの趣味に関しては節操のなさを極めています。(その分いろんな人と話が合うというメリットもあり、助かっている面もあります)
ただ、これまでアニメや漫画のキャラクターには個人的にさほど惹かれた経験がありません。
そのため、一見バラバラに見える「推し」の共通項を改めて考えてみると、
① 3次元で実在する
② 表舞台に立っている
③ 音楽や言葉など表現分野の才能に秀でている
という辺りが当てはまるのではないかと感じました。
こうやって書いてみて初めて自分でも気がついたので、良い機会をいただきありがとうございます。
アルパカが好き!
さて、話は変わりますが、あなたの好きな動物は何ですか?
いぬ、ねこ、うさぎ、ハムスター、鳥……
ご自身が飼っている/飼ったことがある動物が一番好きだという場合が多いかもしれません。しかし、動物と暮らした経験がなければ「うーん、好きな動物?特に決められないなぁ」と迷ってしまうことも多そうです。
そんな中、今となってはもうきっかけも忘れてしまったのですが、いつからか私はアルパカが大大大好きになりました。
世間的によく知られているのは毛色の白いアルパカですが、その他にも茶色・黒・グレーなど、実は細かく分けるとアルパカには20種類以上の毛色があります。また、全身が同じ色でなく部分的に色が違ったり、まだら模様のアルパカもいたりと、個性に溢れています。
もふもふとした身体は、羊と違って表面がごわつくことなく、撫でると本当にふわっふわで最高。毛が長い時期だけでなく、毛刈り後は高級なじゅうたんのような肌触りもまた別格です。
そしてヤギのような横長の瞳ではなくて、くりくりの黒いお目目。
首が長くて人間とちょうど目線の合う背の高さ。
気性がおとなしく、フーンとかフェーとか表現されるような主張が激しすぎない鳴き声。癒し効果を感じる心地よさがあります。
意外と綺麗好きで、群れはみんな決まった場所で排泄するんですよ。賢い!
そんなこんなでアルパカに惹かれた私は、学生時代からアルパカモチーフのグッズを見かけたら流れるように買うのが当たり前となりました。ぬいぐるみ、置物、Tシャツやパーカーといった衣類、マグカップ、タンブラー、ポストカード、メモ帳・ノート・付箋・レターセットなどの紙モノ、ボールペンなどの文具類、ブローチ、イヤリング……
こんな感じで部屋の中にはアルパカがたくさんいます。(写真はあくまで一部)
特に一番のお気に入りは、本物のアルパカの毛を使ったケーセン社(ドイツ)のぬいぐるみです。
もしこの記事を読んで「アルパカを生で見たい!」と思ってくださった方がいれば、ぜひ牧場や動物園など、アルパカに会える場所を訪れてみてください。
特に、とにかくアルパカをたくさん見たい、積極的に触れ合いたいという場合には「アルパカ牧場」と名のついたアルパカを中心に飼育している観光牧場がおすすめです。
私のイチオシは長野県にある『八ヶ岳アルパカ牧場』です。牧場規模はそれほど大きくないですが、アットホームな雰囲気と、アルパカとの距離の近さが魅力です。休日に開催されるアルパカダービーはとても盛り上がりますよ!
最近では、日本国内だけでは飽き足らず、ドイツ、イングランド、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカなど海外のアルパカ牧場をInstagramでフォローして、楽しく写真や動画を見ています。
ちなみに最推しのアルパカは、八ヶ岳アルパカ牧場のニーナちゃんです。
こうなってくると、「推し」の共通項が
① 3次元で実在する
② 哺乳類
になってしまいました。
アルパカとラマの違い
アルパカとよく比較される対象として、ラマという動物がいます。
実際見た目が似ているので、デフォルメされたイラストだと、どっちなのかわからない場合もあります。
両方とも南アメリカ原産のラクダ科に属する動物なので、元を辿ると親戚みたいなものですね。共通して、怒ると臭いつばを吹きかけますので要注意。
ただ、慣れるとすぐに見分けがつくようになります。
そもそも、アルパカは体毛を加工利用するための家畜で、ラマは荷役のための家畜ですので、ラマの方が身体が大きくて筋肉質というのを覚えていただけるとわかりやすいです。
また、アルパカに比べるとラマの方が、大きな耳が縦長にぴんと立っているのも特徴です。特にラマの子どもは耳が目立ってとても可愛いです。
アルパカもラマもゆったりした動きのイメージがありますが、子どもたちはすごく活発に跳ね回っていて可愛らしいので、ご興味あれば牧場のSNSアカウントなどで発信されている動画をご覧ください!
ボードゲームにおけるアルパカとラマ
もうお気づきの方もいるでしょうか。
すごろくやスタッフによる記事にも関わらず、「ここまで一切ボードゲームの話をしていない」ことに……
ということで、ようやく今からボードゲームについて触れていきたいと思います。
ボードゲームにはさまざまな動物が登場します。
ゲームの主題となるモチーフ、プレイヤー自身、プレイヤーと敵対する悪役やお邪魔な存在、獲得・運用する資源としてなど、一体何の動物が最も多くのボードゲームに出てくるのか調べてみてもおもしろいかもしれません。
ポピュラーな動物に比べると少ないですが、アルパカやラマが出てくるボードゲームも存在します。
代表的なものだと、アルパカは『アルティプラーノ』『アルパカパカパカ』など、ラマは『ラマ(L.A.M.A)』とその派生シリーズである『ラマパーティ』『ラマダイス』、そして『おっとっとラマ』『ラ・ラマ・ランド』などがあります。(余談ですが、「ボードゲーム ラマ」でGoogle検索をすると、L.A.M.Aだけで画面全体が埋まります…)
ただ、日本では同人ゲームなども含めアルパカが多い一方で、BoardGameGeek(通称BGG:世界中のボードゲーム愛好者向けウェブサイト)を見るとヨーロッパではラマの方がかなり多い印象を受けます。
日本国内に関しては、2008年より株式会社クラレ『ミラバケッソ』のテレビCMに出演したことをきっかけに、アルパカが「もふもふで可愛い動物」だという市民権を得たように感じています。日本ではまだあまり聞き馴染みがないラマですが、ヨーロッパの生活では昔から身近な家畜として根付いているのでしょうか?
『ザ・キー:ラッキーラマランドの妨害工作』
そしてついに、子どもから大人まで楽しめるボードゲームを数々手掛けるドイツのHABA社から、ラマに大きく関わるゲームが発売されました。その名も『ザ・キー:ラッキーラマランドの妨害工作』(原題:The Key – Sabotage im Lucky Lama Land)。2021年9月より、弊社すごろくやで日本語版も制作・販売しております。
商品を初めて見た時は、「ラッキーラマランド!?何それ!L・L・L(エルエルエル)??ラマの遊園地???どういうこと!??」と狂喜乱舞しつつ、勝手にパニックになりかけました。
問題のラッキーラマランドに触れる前に、まずは『ザ・キー』シリーズについてご説明しましょう。
『ザ・キー』は、同じ場所で発生した3つの事件について、机の上に散らばるカードを各々が早取りすることで、断片的な目撃証言や証拠品を集めながら「誰がいつどこで何を使って犯行を行なったのか」の正しい組み合わせをできるだけ少ない手がかりで推理するゲームです。
他の推理ゲームにはないおもしろさ満点で好評につき続編が制作され、『岸壁荘の盗難事件』『オークデールクラブ殺人事件』に続いてシリーズの第3弾として発売されたのが、本作の『ザ・キー:ラッキーラマランドの妨害工作』という訳です。
このゲームの舞台は、ラッキーラマランドというファミリー向けに人気のテーマパークです。犯人はラッキーラマランドの評判に傷をつける目的で、施設内のアトラクションを故障させようと密かに細工を施しました。警備の隙をつき、マスコットの着ぐるみを着て園内の大勢の目がある中を動き回り、立ち入り禁止区域に忍び込んで犯行に及んだのです。そしてなんと、同じ意図を持った人物が3名!わずか数日のうちに3つの事件を別々に起こしました。
ただ、身柄を確保された3名について、どの容疑者が、いつ、どのアトラクションに、何の道具を使って細工をしたのかはまだ特定できていません。有罪判決を勝ち取るためには、多数の目撃証言や科捜研の鑑識結果を元に、正しい組み合わせを明確にしないといけないのです。
第3弾から加わった新要素として、付属のミラーカードを使った足跡鑑定も。
全員が捜査を終えたら答え合わせをし、見事正解だった人のうち、推理のために集めたカードに書かれた数字=情報の有益度の合計が一番少なかった人の勝ち!つまり、より少ない手がかりで真相にたどり着いた人が勝利します。
『ザ・キー』シリーズに共通して言えることですが、できるだけ少ない証拠で達成したい一方で、他の人がどんどんカードを奪っていく中で、正しい真相にたどり着くために有益なカードが欲しいというジレンマが楽しめます。
そのため、新たに手に入れたカードがすでに把握していた情報だと「これはもう知ってるんだよ〜!」という無駄足感で、まさに苦労している捜査官の気分です。
同時進行で全員が一斉に取り組むので、推理ゲームにしては珍しく、わいわいと盛り上がりながら楽しむことができます。
ラッキーラマランドに遊びに行ってみよう
さて、これでゲームの概要はおわかりいただけたかと思いますが、私が最も気になるのは「ラッキーラマランド」とは何ぞや、です。
遊園地が出てくるボードゲームは他にもいろいろありますが、まさかラマのテーマパークができるとは。ラマがいるのは動物園だとばかり思っていました。
しかもファミリー向けに人気とのことなので、もしもこの世界に入り込んで遊びに行けるなら期待が膨らみます。おそらくスカーフを巻いたラマがマスコットキャラクターなのでしょう。名前はラッキー、なのか?
全体の園内図はこのようになっています。気になるものがたくさん!
事件の調査手帳によると、ショーは全部で9個。毎日すべてが開催されているのではなく、種類に応じてお休みがあり、日替わりのようです。もし自分が見たいショーがあったら、事前にスケジュールをチェックしてから行かないといけないですね。当日の入場時に「今日は何をやっているかな?どれを見ようか?」って同行者と相談するのも楽しそう。ショーを見るにはチケットが必要です。
海賊のラマや、陽気にマラカスを持って踊るラマのショー、あとは4Dシアターのようなものが気になります。(お、5月5日にはそれらが全部観られるぞ)
アトラクションのうち、事件の被害を受けた3つは説明書に記載がありました。
- マンバドロップ:急流下りを楽しめる。真ん中の席でもずぶぬれ間違いなし!
- キャニオンレイル:ジェットコースター。遠くからでも見える巨大レールは施設のシンボル的存在。
- デンジャーマウス:バンパーカー。楽しい仕掛け満載で、子供や子供心を忘れない大人に人気。
バンパーカーだけあまり聞き馴染みがなかったのですが、周囲をぐるりと柔らかいバンパーで覆われた車に乗って、構内を自由に走り回ったり、車同士でぶつかったりするアトラクションでした。
それ以外にも、観覧車、空中ブランコ、バイキング、フリーフォールなど、さまざまなアトラクションがあります。ゴーストタウンには線路が見えるので、乗り物に乗って進むタイプのお化け屋敷でしょうか?ここではショーもやっていますね。
お腹が空いたらポテトやアイスクリームの売店に立ち寄って、お土産にはラマの形の風船がおすすめだと思います。
あと、テーマパークには欠かせないキャラクターグリーティング。
園内には3箇所の撮影ポイントがあります。どれもすぐ後ろに見栄えのするアトラクションがあって、記念写真にはぴったりです。ただ、今回の妨害工作事件では、容疑者全員がマスコットの着ぐるみを着たせいで、声をかけてきた来園者と記念撮影する羽目になりました。それを知らない来園者には、このまま事実に気づかないでいてくれることを祈ります。
また、所定の撮影ポイントではないですが、ラマ像の前も素敵なフォトスポットになりそうです。
こうやって見ると、子どもから大人まで家族みんなで楽しめるコンテンツが盛り沢山で、ゲーム内容に関わらない細かいところまで「さすがHABA!」と改めて感じました。
おわりに
アルパカについての話から始まり、自由気ままに文章を書かせていただきました。
『ザ・キー:ラッキーラマランドの妨害工作』は本当におすすめのゲームなので、ぜひご家族やご友人と一緒にわいわい楽しんでください。誰かとではなく1人でもじっくりソロプレイが可能です。また、『ザ・キー』シリーズの第3弾ではありますが、前の2作を遊んでいなくても問題ありません。
(ちなみに関係ないですけれど、ラマの出てくるボードゲームとして紹介した『L.A.M.A』もおもしろくて私は大好きです)
まだまだ興味は尽きないので、どうやってラッキーラマランドが生まれたのか、実は…というもっと細かい裏設定など、機会を頂けるならデザイナーにインタビューしてみたいです。まぁ、こんなに喜んでいるのは私だけで、LLLの語呂合わせとかあまり深い意味はないのかもしれませんが。
いつかどこかで、本当にラッキーラマランドがオープンすることを願っています。その時にはスピンオフとして、アルパカにちなんだAAAもできたらいいな。
最後までお読みくださって、誠にありがとうございました。
この記事を書いた人:岸
2019年入社。卸流通担当スタッフ。仕事以外ではほとんどボードゲームをしないものの、アルパカやラマが関わると見逃せずついつい反応してしまう。「最近、こんなラマのゲームがクラウドファンディングをしていますよ!」と記事展編集担当が情報提供をした結果、手が滑ったと言いながら支援をしていた。