わたしのおすすめゲームリストMy Favorite Gamelist
あだちちひろ セレクト
すごろくやと私、思い出ゲーム5選
【プロフィール】アナログゲームマスター
すごろくや取り扱い中のセレクト品
すごろくや取り扱い外のセレクト品
すごろくや18周年おめでとうございます!
アナログゲームマスターあだちちひろです。
私は、すごろくやで2009年〜2014年まで働いておりました。
せっかくなので、私がすごろくや働いていた時の思い出深いゲームをエピソードとともに、今回5個ご紹介したいなと思います。
▼ホワイトデーのお返し
おばけキャッチ
中学生の男の子が、バレンタインデーのお返しのプレゼント選びにご来店された時のお話です。「ガールフレンドですか?」って聞くと、男の子は顔を真っ赤にして「ちちちちがいますよ!」と大変動揺をしている様子は、今でもよく覚えています。
いくつか紹介したゲームの中の1つが『おばけキャッチ』でした。内容物も可愛いし、ルールも簡単。しかもしっかりと遊び応えもあると、購入オススメポイントが多かったのですが、それよりも男の子の胸に刺さったのは「その女の子と一緒に遊ぶには、これがピッタリですね」という私の一言でした。男の子が天にも舞うような顔になり、本当に「ぽわわ〜ん」って音が聞こえてきそうでした。
あんなに相手のことを考えてゲームを選ぶ姿を目の当たりにして以来、ボードゲームをプレゼントすることに前向きになれました。
▼8金のマカロン
ドミニオン
言わずとも知れた、超面白いカードゲームです。デッキ構築型ゲームの火付け役『ドミニオン』は世界中にファンがいます。私もドミニオンはお気に入りのゲームの1つですが、食べることが趣味の女性すごろくやスタッフMちゃんと遊んだ時の『ドミニオン』エピソードです
ドミニオンを遊ぼうとした時に、たまたま美味しいお菓子のマカロンが差し入れされておりました。じゃんけんで好きな味を取り合ってもよかったのですが、せっかくならドミニオンのゲーム内のお金で買えることにしようという話になりました。マカロンの金額は8金。属州カードの横に、マカロンが置かれました。
追加したマカロンルールに1番燃えたのが、このMちゃんでした。誰よりも先に8金を手札に溜め込み、属州には目もくれず「このピスタチオ味のマカロンを8金で買います!」と叫びました。Mちゃんは、誰よりも早くゲットしたマカロンを美味しそうに食べていました。
本当に欲しいものに対する情熱や執念によって、ゲームが強くなることもあるんだなと実感しました。
▼これがゾーンに入るということか
どうぶつしょうぎ
小学1年生の男の子のエピソードです。ご両親とすごろくやにご来店。お父さんとお母さんは、家族で楽しめるものをお探しで、人数や時間など細かく他のスタッフさんと相談中。男の子は一人で少し暇そうにしていたので「何かゲーム、遊んでみる?」と声を掛けてみました。その時に選んだものが『どうぶつしょうぎ』です。
ゲーム開始すぐに、私は「何歳なの?」「給食は何が好きなの?」などと雑談しながらプレイしていましたが、この小学1年生の男の子は『どうぶつしょうぎ』が異常に強い・・・。あまりに彼が強いので、私は雑談などしていられなくなりました。
手加減などする隙がありません。むしろ押されている・・・ぬぬぬ、この子に絶対に負けたくない!と、販売員らしからぬ気持ちになりました。全力で手番を打つ男の子に対して、全力で答えたい!というプロ棋士のような感覚になり、ご両親がゲームを選んで、お会計まで済ましていることに全く気つかないほどに集中していました。まるで『精神と時の部屋』にいるような・・・。ゾーンに入るとはああいった状況なのでしょうか。お母さんの「そろそろ帰るよ?」という声にハッとして、勝敗はつかないままにこの真剣勝負は幕切れとなりました。後で聞いた話ですが、男の子は毎朝おじいちゃんと将棋をしているとのこと。その強さに納得しました。
年齢を越えて対等にゲームを遊べるんだという、思い出に残る勝負でした。
▼可哀想だろ!入れてやれよ
K2
すごろくやの初期メンバーの中で語り草となっているエピソードを1つ書きたいと思います。登山がモチーフの『K2』は、リアリティあふれる名作ゲームです。
世界観にのめりこむあまり、ゲーム中、本当に高い山に登っているかのように酸欠状態になってしまうほど。
この『K2』をすごろくやメンバーで遊んだ時、すごろくやの物静かな男性スタッフFさんのお話です。『K2』のポイントは、無理をして登山すると自分が死んでしまうという過酷なルールにあります。死んでしまうとなかなか勝者にはなれません。それに、ゲーム中の話だったとしても自分が死んでしまうのは、なかなかショッキングな出来事です。
死なない為に準備を怠らず、先の見通しも立てて計画的にプレイする必要があるので、ゲーム中はずっと緊張状態です。生きるか死ぬかの登山に大きな役割を持つアイテム、それがテント。体力が回復できる心強いアイテムですが、自分のテントは自分で立て、それを自分だけが使えるという、ゲーマーならばすんなり飲み込めそうなルールに、そのFさんが一言。「可哀想だろ!他の人もテントに入れてやれよ」とゲームのシステムに対して物申していました。
確かに・・・言われてみれば可哀想だな。他の人もテントに入れてあげたいな。と私も思い、Fさんの優しさを知りました。ボードゲームを遊ぶと、それぞれの人間性が表れるのだなと知った瞬間でした。
▼小さな女の子に何度も名前を呼ばれる
くねくね進め
ヘビがついたてからニョロニョロ出てくるという、見た目も仕掛けも可愛いボードゲームです。このゲームは、自分以外のプレイヤーを1人選んで「黄色ありますか?」と色の質問をします。このシステムにより「〇〇さん、紫色ありますか?」と質問したい人の名前をしっかり呼ぶとゲームが円滑に進むので、どうしても互いの名前をしっかりと呼び合うことが必要になります。
小さな女の子とお母さんが、すごろくやに来店されて『くねくね進め』を一緒に遊びました。女の子が何度も私に「あだちさん、赤はありますか?」「あだちさん、緑はありますか?」と聞いてくれました。小さい子が私の名前を何度も呼ぶこと。しかも苗字で呼ぶ事は新鮮で、それがもう可愛くて可愛くて・・・楽しかったゲームの思い出です。
小さな子に何度も名前を呼ばれるのって、大人としてはすごく嬉しいものですね。これもゲームのおかげです。
以上、5個のボードゲームの思い出話を紹介しました。最後まで、お読みいただきありがとうございました。