ボードゲームメーカーのお仕事Jobs of BoardGame Maker

ボードゲームメーカーのお仕事

みなさんは、すごろくやと言えば何をしている会社だと思いますか?ボードゲームを売っている?それとも、ボードゲームを作っている?
どちらも正解です。
すごろくやは、都内に2店舗あるボードゲーム専門店の運営、自社製品の企画制作、海外製ゲームの国内向けローカライズ、全国小売店への卸流通、書籍出版、イベント運営、講座/研修など、ボードゲームに関するあらゆる事業を包括的に行なう、「ボードゲームの総合企業」です。
そんなすごろくやには、「商材班」という部署があります。
商材班のお仕事は、その名の通り商材に関するあらゆる内容が含まれます。その中でも特に大事なもののひとつが、「自社製品の制作進行」。日本でも毎月たくさん発売されているボードゲームが、どのように作られてみなさんのお手元に届くのか、知っていますか?
今回は、「海外ボードゲームのローカライズ」にスポットを当てて、ボードゲームメーカーとしてのすごろくやのお仕事、ボードゲームができるまでをわかりやすくご紹介します!これまでにすごろくやで作られてきたボードゲームが実際にどんな工程で作られたのか、予期せぬトラブルやアクシデントの裏話なども盛り込みながら、お伝えしていきますので、ぜひお楽しみください!

▼「ローカライズ」とは?

近代ボードゲームはドイツゲームとも呼ばれ、欧米を中心に多くの作品が生まれています。もちろん日本生まれの名作ボードゲームも存在しますが、欧米の魅力的なゲームを日本に届けるのも、ボードゲームメーカーの大事な仕事のひとつ。すごろくやでは、こうした欧米作品の「ローカライズ」を多く手がけています。

全体の流れ

海外のボードゲームをローカライズする場合、海外版の版元であるメーカーとやりとりしながら、日本版を作っていきます。
他の言語版と一緒に製造する場合などは、実際に製造する工場とのやりとりは海外メーカーが取りまとめることもありますが、ときには工場の手配や連絡も全て担当することも少なくありません。

今回は、工場とのやりとりも含めて、ローカライズが決まってから完成するまでの「制作」の部分に焦点を当ててご紹介します!

データ制作

日本版制作の契約締結などが終わり、ローカライズの準備が終わったら、版元の海外メーカーからパッケージや説明書、内容物のデータをもらいます。これを元に翻訳して、日本版データを作ります。
「要するに翻訳作業ね」と思ったそこの貴方!ちょっと待ってください。
すごろくやでは、単に翻訳するだけでなく、きちんと遊びやすい・わかりやすい内容になっているかなど、細部にこだわって調整を重ねます。それだけでなく、日本と海外では好まれるテイストが違ったり、海外特有の文化的背景のある表現は日本では伝わらなかったりと、地域差を意識して変更が必要な箇所もあるので注意が必要です。さらには、ゲームの面白さ自体も当然大事にしています。ときには版元のメーカーにルール変更の提案をすることも。

【実例紹介】

入稿〜量産まで

さまざまな調整に調整を重ねて、ようやく日本版のデータが完成したら次のステップです。
作った印刷用データを工場に送ることを「入稿」と言います。ですが、入稿したらこれでもう安心……とはいきません。この段階でもまだまだ気が抜けないのです。
データを入稿すると、工場から「e-proof」というデータが送られてきます。
これは、「校正刷り(proof)」のオンライン版のこと。入稿データを元に、印刷時の見た目を確認するためのデータが用意されます。このデータが意図した通りになっているかを最終確認してから、工場での大量生産に進むのです。

【実例紹介】

そして量産へ

こうしてさまざまな困難を乗り越え、晴れて工場での量産へ移ります。そして、完成品のゲームが私たちの手元に届くのです。

▼工場での製造の様子

私たちが様々なやりとりをした先で、工場では実際に説明書やボードが印刷されたり、コマが整形されたり、様々な工程を経てボードゲームが作られます。今回は特別に、実際にすごろくやのゲームが作られる様子をご紹介します!

キャプテン・リノの主役であるリノくんの木製コマは、ドイツの老舗メーカーHABA社で作られています。
整形したコマを漂白し、彼のテーマカラーである水色に塗装します。最後は一面に並べたコマに印刷機でリノくんのイラストを印刷し、完成。こうしてヒーローが皆さんのもとへ届くのです!

音速飯店を製造する中国の工場の様子を初公開!
円形の特殊なカードがみるみる内に大量生産されてゆく様は圧巻です。ゲーム内容と同様に、スピーディーな現場の様子を動画でお楽しみください。