わたしのおすすめゲームリストMy Favorite Gamelist

カナイセイジセレクト

いつまでも遊び続けたいゲーム5選

【プロフィール】ゲームデザイナー。日本の「ミニマリズム」を体現する、小箱ゲームを多く手掛ける。

すごろくや取り扱い中のセレクト品

テラフォーミング・マーズ
アグリコラ
ゲームリスト

すごろくや取り扱い外のセレクト品

レッドドラゴン・イン
センチュリー・ゴーレム
インダルジェンス

番外編:

マジック:ザ・ギャザリング

アグリコラ

ちょうど近年のアナログゲームの進化や楽しさが日本に伝わり始めた頃に発表された、ウヴェ・ローゼンベルクの傑作。プレイヤーは農場主として、自らの農場を発展させることを競います。
非常にシンプルなアクションに、大量のカードから抜き出されドラフトしたカードによる強化・効率化をすることで変化を付けるワーカープレイスメントのゲームとなります。アクションの登場順と場に存在するカードの組み合わせで毎回まったく異なるゲーム展開となる飽きさせない作りはもちろん、ゲーム終了時に農場の確かな発展を感じる箱庭が残ることもこのゲームの魅力を高めています。

テラフォーミング・マーズ

近年のアナログゲームの発展の中で、ひとつの正解を導き出した大作。プレイヤーは宇宙開発時代の超大企業などとして、火星の居住可能化への貢献度を競うハンド・マネジメントのゲームです。アグリコラ同様、数百枚の唯一性のあるカードから手札を獲得し、それらの取捨・選択を行いながら自らの盤面を強化していきます。
能力の異なるスタート(企業)カード、怒涛のように選択を迫る大量の手札からよい成果を導き出せたときの満足度は圧倒的。ゲームに様々な変化を加えるエキスパンション・セットや豪華立体タイルなど、リプレイ性や所有満足度などにも隙が無いハイレベルなゲームです。

レッドドラゴン・イン

ファンタジー世界に登場するさまざまな種族・性別・職業のキャラクターが、酒場「赤竜亭」での酒盛りで相手を酔い潰したり素寒貧にしたりする対戦カードゲーム。各キャラクターに設定に応じた独特な山札(デッキ)が与えられ、その特徴を活かした戦いをすることが求められます。すでに多数のシリーズが発売されており、キャラクター数は30名を超えています。
多人数によるアンバランスな勝負は、現在世界的に人気があるマジック(番外で後述)のレギュレーション、統率者戦を彷彿とさせますが、そのような遊びの楽しさに早くから気づいていたゲーム、ということになるかもしれません。また、各山札、各カードにはキャラクターの特徴がよく表れており、その台詞を喋ってロールプレイするだけでも楽しめます。「パラディンはイカサマなどしない!(イカサマ)」

センチュリー・ゴーレム

スパイスを取引するゲーム『センチュリー・スパイス』のバージョン違いとして出版された、やはりハンドマネジメントのゲームです。プレイヤーは魔法の鉱石を掘り出し、それを商人を表すカードを使ってより高価な鉱石に変換、それを用いて勝利点となるゴーレムを建造します。
1枚1枚のカードの効率や、1回の手番の大事さが身に染みる、いかにも「ゲームしている」という感覚のゲームで、初心者の方にもおすすめしたい一作となります。『センチュリー・スパイス』とゲーム内容は全く同じなのですが、ゴーレム版のほうが見た目にも魅力的だと感じます。

インダルジェンス

1981年に出版されたゲーム『Dragonmaster』のリメイクとなる、免罪符をテーマにしたトリックテイキング・ゲームです(本当はアートが美しい元版をおすすめしたいところですが、さすがに古すぎますね)。プレイヤー1人が教会(親番)として、条件として決めた「取ってはいけないトリック」「取ってはいけないカード」などを取ったプレイヤーから罰金を徴収します。ただし、他のプレイヤーは「反逆」することができ、「最強カード」を受け取ったうえでその条件のすべてを逆に満たすことができれば莫大な利益を得ることができるというルールがあります。
分かりやすい条件のおかげで、トリックテイキングを遊んでみるのに最適なゲームだと思っています。誰かが反逆を選んだときのワクワク感も素晴らしいです。

番外編
マジック:ザ・ギャザリング

ちょっとボードゲームとは異なりますが、近代のボードゲームにも大きな影響をもたらしたトレーディング・カードゲームの祖にも言及しておきたいと思います。
近年では、アニメや漫画などをテーマとした新しく遊びやすいものなどのヒットにより売上の面では落ち着いているマジックですが、その存在がボードゲームに与えた影響は計り知れません。『ドミニオン』をはじめとするデッキ構築はもちろん、与えられたカード束から1枚を選ぶことを繰り返すドラフトなど、その面白さの一部分を抽出して楽しむゲームは枚挙に暇がありません。また、マジックそのものも、統率者戦というフォーマットの登場により多人数でのボードゲーム的な遊び方を提案するなど変化を続けています。
私自身、この統率者戦を楽しんでいますし、可能であればボードゲームのファンにも遊んでみていただきたい内容となっています。また、指輪物語やフォールアウトなどといった他の人気作品とのコラボも積極的に行うようになり、今後の展開も楽しみです。