わたしのおすすめゲームリストMy Favorite Gamelist

タナカマコト セレクト

すごろくやでロングセラーを手に取ってみよう!

【プロフィール】東京三鷹のボードゲーム出版社・専門店「テンデイズゲームズ」代表

すごろくや取り扱い中のセレクト品

お邪魔者
バルバロッサ
そっとおやすみ
エクスペディション:世界を巡る冒険
アクワイア
SUPPE販売ゲームリスト

18周年おめでとうございます。
今でこそ、多くの方に知っていただけるようになったボードゲームですが、18年前、ボードゲームはまだまだ愛好家のもの、というイメージでした。
私も愛好家の一人だったわけですが、すごろくやのオープンは、大きなインパクトがあり、また、その後の丸田さんの多彩なプロモーションのやり方にも驚かされたものです。今、すごろくやで取り扱っているものの中には、その頃や、その前から長きに渡って愛されてきたタイトルもたくさんあります。
私は、そんなロングセラータイトルから、個人的おすすめ、フェイバリットタイトルを選んでみました。

お邪魔者

すごろくや開店当時に、とても大きなインパクトのあったお客様サービスに「解説DVD」が付いてくる、というものがありました。
DVD付のタイトルがいくつかある中で、私がイチオシしたいものは、なんと言っても「お邪魔者」です。
すごろくや店頭で流されていたDVD(動画)のナレーション、落ち着きのある女性の声での「お邪魔者は~」の導入部分は、今でもとても印象的なものとして耳に残っています。ゲーム内容も間違いなし。
古典的な「水道管ゲーム」フォーマットに、正体隠匿要素で味付け。面白くないわけがありません。
プレイ人数がそれなりに必要と言うこともあり、その点でのハードルの高さはありますが、手元に置いておく価値ありの一作です。

バルバロッサ

日本発のSNSとして一世を風靡したmixi。そのmixi上で行われていた「バルバロッサ」を覚えている人は多いのではないでしょうか。
アップロードされた奇妙奇天烈、不可思議な粘土細工に質問を行い、その粘土細工が何を表したものなのかを当てるという、まさに「バルバロッサ」そのものという、この試み、まだSNSというもの自体がそれほど一般的では無かったこともあり、とても新鮮に映りました。
イラストなどの表現を中心に据えたコミュニケーションゲームは多々あれど、「バルバロッサ」は「上手い下手を問わない」、「ゲームとして納得感のある考えられた得点システム」などの要素を持ち、まさに頭一つ飛び抜けた完成度の高さを持ったゲームと言えるでしょう。

そっとおやすみ

すごろくやがオープンした頃、私は毎週、自分のボードゲーム会を主催していました。
そのゲーム会は、毎週開催していることもあり、参加のハードルが低く感じていただけたのか、あまりボードゲームに触れたことがない、初めてボードゲームに触れるという方にも結構足を運んでいただいていたのですが、その中で大活躍していたのが、この「そっとおやすみ」です。
カードが揃ったら伏せる。誰かがカードを伏せたことに気付いたら、揃ってなくても伏せることができる。最後まで伏せなかった人になったらダメ。
という、ごくごく単純なゲームなのですが、お喋りしながらプレイすることで―お喋りに集中するのか、手元に集中するのか―そこになんとも不思議な緊張感が生まれるのです。そして、上手くいってもいかなくても大盛り上がり。
これがアイスブレイクにぴったりで、自己紹介なんかを絡めながら遊ぶと、はじめて卓を囲む人とも簡単に打ち解けたのです。ほとんどルール説明が不要で、まずは「やってみましょう」と、おもむろに始められるのもよかったです。なお、そんな感じで始めると、だいたい初めての人が最初に負けてしまうのですが、その時の「えー!?」っていう盛り上がりまでがお決まりの流れでした。

アクワイア

今から60年前の1963年(前後2年程度で諸説あり)に生まれた「アクワイア」。
アメリカのレジェンドデザイナー、シド・サクソンの手によるこのタイトルが、ヨーロッパ、そしてドイツに渡ったことでドイツゲームの歴史が始まったとも言われている、ボードゲーム史における最重要タイトルの一つです。
その「アクワイア」、昨年、新デザイン版が発売され、そして、この春、その日本語版が登場しました。
展開とプレイングによっては途中脱落の可能性もあり、また、ゲーム展開のほとんどがプレイヤーの意思決定によって形作られるものだけに、「今」のゲームのトレンドとは少し離れたところに存在しているタイトルではありますが、だからといって、決して見過ごすことは出来ないタイトルでしょう。
まさに、超の付くロングセラー、いや、ロングセラーと一言では済ますことのできないレジェンド中のレジェンドタイトル「アクワイア」、日本語版が発売となったこの機会に、ぜひ、遊んでみてもらいたいところです。

エクスペディション:世界を巡る冒険

最後に私が代表を務めるテンデイズゲームズの商品で締めさせてください。
ヴォウルガング・クラマーによる「エクスペディション:世界を巡る冒険」は、世界の自然や歴史的建造物を巡るという魅力的なテーマとそのテーマを彩ってくれる解説付の美しいカード、手番では進みたい道筋を伸ばすだけという簡単なルール、全プレイヤー共有の探険隊というルールがもたらすジレンマといやらしさとドラマ性といった魅力がふんだんに詰まった、まさに「王道ファミリーゲーム」と言えます。
その「エクスペディション」が、カードも含めて待望の日本語化。
世界各地の魅力的な土地や建物に思いを馳せながら、家族や友人とずっと楽しく遊べる、手元に置いておいて損なしの大名作です。