ゴールデンボックスボードゲームアワードは、「ボードゲーム業界の健全な発展を目指す」という思いのもと、日本のボードゲーム業界に携わる方々が創設した賞です。
その2024年の「ルールブック賞」を、すごろくやが日本版を発行している『ビストロ・コスモポリート』が受賞しました。
フランス生まれの『ビストロ・コスモポリート』は、スマートフォンから流れる聞き慣れない言語の料理名をどうにか聞き取って、次々と舞い込む注文を皆で協力してさばいていくゲームです。
ゲーム内で飛び交うのは、世界に実在する60の言語。
しかも、スマートフォンアプリに収録されている音声は、実際のネイティブ話者の発声によるものです。
フランスのボードゲームメーカーJeux Oplaと、言語学研究所DDLの共同プロジェクトとしてつくられたこのゲームは、ドタバタわいわい、気軽に大盛り上がりできる最高に楽しいゲームなのはもちろん、制作に携わった言語学の専門家たちの熱い思いがたっぷり込もったゲームでもあるのです。
その背景を垣間見られるのが、ゲームに同梱されている、ちょっぴり厚めのこの冊子。
冒頭の9ページが遊び方説明で、そこから先の52ページは『メニューの裏側』と銘打たれた付録で、企画の背景や制作秘話、そして言語学の観点からの多角的な解説がたっぷり。
言語を通じて広い世界への扉を開いてくれるような内容です。
アプリで使われているネイティブスピーカーの皆さんの声は、いったいどうやって集められたのか。
どういう基準でこの60言語が選ばれたのか。
そもそも言語とは何なのか、どうやって生まれたのか、そして、なぜ言語消滅のスピードが年々加速しているのか。
言語研究機関の本領発揮で、好奇心を刺激する解説がたくさん収録されています。
さらに、評の中で運営委員の小野卓也さんが紹介してくださっているように、「同じ項目を字数を変えて3通りに解説しており、興味に応じて好きなところだけをつまみ食いして読める」ようになっているなど、手軽に楽しめる工夫も満載です。
たっぷりゲームを楽しんだあとは、よろしければ、興味のある項目をちらりと覗いてみてくださいね。